2019年10月7日月曜日

進撃のゲームジャム

イカれたゲームジャムを紹介するぜ!


と思いましたが、ゲームジャムってそもそも正気じゃ無理なのでいかれたも何もないですよね…。狂ってる?それ、誉め言葉ね。

ゲームジャム…短い期間でゲームを完成させるイベントのこと。出されたテーマに沿ってゲームをつくる必要がある。脳みそがSOLIDだと企画でしぬ。LIQUIDだとプログラムでしぬ。GASだといっぱいしぬ。





調査兵団に入る


私たちゲーム制作者の見習いは「調査兵団に入って巨人を倒すぞ!」くらいの覚悟でゲーム制作をはじめるわけですが、この時点では自分がどれくらい戦えるのかまったくわかってないんですよね。

にもかかわらず巨人たちを余裕で倒せると思っています。なぜなら戦ったことがないから。想像の上では倒せるはずなんですよね…超面白いゲームを作って有名になっちゃうぜ!みたいな。でも実際にやってみると小型の巨人にも勝てずに食べられて終わります。


具体的に言うと1週間とか1ヶ月とか半年とかゲームを作り続けて、面白いのかよく分からないまま飽きてきてまた次のゲーム制作を始めてしまう…。

これを繰り返しているとだんだん「調査兵団はきついから憲兵団でいいや」みたいな思考に陥りがちです。ゲームづくりしてるだけで偉い!みたいな感じ。ただの経験談です。


そんなゲーム制作をはじめてからある程度経つと、次第に「自分はどれくらい強いのだろうか?」っていう疑問と、「このままでいいのかな…」っていう不安が湧いてきます。

ゲーム制作を始めたばかりだと制作者の横のつながりがないので、どうしても暗闇の中を歩いている感じになっちゃうんですよね。あとはゲームが完成しないので単純に焦ります。ゴールが見えないのは辛すぎる…。



巨人との邂逅


そんな疑問や不安を一気に吹き飛ばしてくれるのがゲームジャムという存在です!ゲームジャムはとてもよい!とにかく最高!わかりやすく一言でいうと巨人です。巨人との邂逅。


まずお題に沿って企画を考える、というのが死ぬほど焦ります。締め切りがあるので時間は有限だということを思い出させてくれます。死ぬ気で考えないと期間内に完成せず、最終的に巨人に捕まえられて食べられてしまうからです。

企画を考えたら今度は死ぬ気でゲームを作ります。プログラムやグラフィックなどの手を動かす部分です。死ぬ気で手を動かさないと巨人に食べられてしまいます。要するにサボると死に直結します。


締め切りの前日などは手も足ももぎ取られて疲労困憊なのですが、とにかく死(完成しないこと)だけは避けたいので何とかまとめようとします。隣の人が巨人に食べられていくのを見ながら必死で完成を目指します。

締め切りの日を迎えてなんとか完成までいって、そこではじめて自分が戦った巨人のサイズを知ります。こんなに死ぬ気で頑張って、ようやくできたものがこれなの…って十中八九思います。


完成したことに対する感動はすごくあるんですよ。一生に一度くらいの「自分一人でゲームを作った…!」という感動を味わうことができます。

にもかかわらず自分の非力さと周りの壁の高さを知って、悔しさでどうしようもなくなるんですよね。少なくとも私はそうでした。



駆逐してやる


『巨人と戦えるはずの自分』という大切なものを失って、自分の実力という現状を知って挫けるかどうかがゲーム制作者としての分かれ道、素質の有無だと思います。

このとき初めて「駆逐してやる…!」っていうセリフが出ると思うのですよね。もう本当に悔しくて、絶対ゆるさんっていう気持ちが生まれます。調査兵団とか、壁とか、巨人とか、全部どうでもよくなってとにかく駆逐したくなります。


そんな思いとは裏腹に、自分の作品にはあたたかいコメントが添えられたり、遊んで評価までしてくれる方々に触れて、よくわからない気持ちのまま泣きたくなります。

ゲームジャムに参加して一緒に戦った仲間も、言うなればライバルなので全員駆逐したいし、それ以上に自分の作品のしょぼさも駆逐したいはずです。でも総じて思うことは「ゲームジャムに参加してよかった」なんですね。


ツイッターなどで制作仲間が一気に増えたり、本物の実力者の方々とお近づきになれたり、周りの作品にふれて知識や技術を学べたりと良いことだらけです。

そして「駆逐してやる」という強い決意。こればかりは一度絶望に足をつっこまないと得られるものではありません。ゲーム制作者などという弱肉強食の世界では、制作仲間と並ぶくらい大切で頼りになるものが「決意」だと私は思います。あなたは決意で満たされた。


とにかく得るものだらけのゲームジャム、初心者の人ほど参加してほしいなと思うので、さっそく万人が参加できる2つのゲームジャムを紹介します!どちらも不定期に開催されています!




あほげー


まずはあほげーという24時間ゲームジャムの紹介です。あほなげーむを1日で作るという分かりやすいルールです。お題発表から24時間でゲームを作る…もはやパワハラです。

24時間でゲームが完成するわけ無いじゃありませんか。にもかかわらず、それを承知で参加するのは頭おかしいとしか言いようがありません。よって参加者はもれなく奇行種だらけです。覚悟して挑みましょう。




土日含む3連休によく開催されており、24時間をオーバーしても作品登録自体はOKみたいなので気軽に参加してみましょう。締め切りを用意してくれるだけでとてもありがたいです。

私もまだ一度しか参加していないのですが、とにかく参加者さんのアイディアの柔軟さに圧倒されたり、24時間でこれを作れるの??という驚きだったりと非常に楽しいです。


なにより大切なのは、一人ではなく皆でゲームを作っているという感覚です。マラソンのように個人競技ではあるのですが、みな必死になってゴールを目指しているという一体感がとてもよいのです。

24時間本気でゲームを作ったらどれくらい作れるんだろう…という素朴な疑問に、自分で答えを出すことができる良イベントです!




1週間ゲームジャム


そして現れるのは3~4ヶ月ごとに開催されている「unity1week」とも呼ばれる、本命の1週間ゲームジャムです。#unity1weekのタグで有名な、ちょうど1週間でゲームを作るイベントです。

1週間あればなんとか…と思いきや、仕事や学業の合間をぬってゲームづくりしなければならないので、上手な時間の使いかたが求められます。




このゲームジャム、なんと300人以上のゲーム制作者が一斉にスタートを切って走り始めます。お題発表の瞬間は本当にドキドキしますし、ゲームのイベントでもめったに味わえないくらいワクワクします。

※2020年08月10日~のイベントでは参加者500人でしたやばすぎ


また、ゲームづくり初心者への対応がみなさん優しすぎますし、技術的にわからない事があったりしても、つよつよエンジニアの方々がどこからともなく現れて助けてくれたりします。圧死するレベルで手厚いサポート。





優しい雰囲気に包まれてハードな開発をしているのはそれはもう阿鼻叫喚の地獄絵図で楽しすぎるのですが、なによりやばいのは野生のプロが何十名も参加していることです。

仕事でゲーム開発をしている本業の方や、東京ゲームショウに出展するレベルの個人開発者さんたちがしのぎを削るイベントと化しつつあるので、「ゲーム制作と言えばunity1week!」ということが広まってきています。





逆に言うとこのゲームジャムで評価されればTGSに出展できる可能性があるということです。個人ゲーム開発者を名乗る近道はunity1weekであると言っても過言ではないとおもいます。

本来は初心者さん向けのゲームジャムなのですが、参加の常連であるベテランの兵団員たちはもちろんのこと、いまや奇行種どころか鎧の巨人や女型の巨人、超大型巨人まで参加しており、商業顔負けのゲームが生まれる可能性が高まってきています。


そんな中で自分の実力をはかることができたり、ゲームをひとつ完成させることができたり、ほかの兵団の方々や巨人さんたちと仲良くなったりできる…こんなに喜ばしいことはありません。

イベントのワイワイ感まで味わうことができて、とにかく楽しい1週間となることは間違いないです。作品が完成すればポートフォリオに入れられるし、ほんとうにに褒めるべきところしかない。

unity1weekについてまとめた記事もどうぞ。
→ 気軽に参加できるゲーム制作のコンテスト unity1week



その日、人類は思い出した


普段のゲーム制作がどれほど真剣ではなく、怠惰で、目的もあいまいにゲームが作られていたのかを…。


「でも制作は役に立ったんですよね。何か完成した作品はなくても、制作はゲームクリエイターへの糧になったんですよね?」


「今回の制作で……わたしは……今回も……!!」


「なんの成果も!!」

「得られませんでした!!」


「私が無能なばかりに……!!ただいたずらに時間を使い…!!作品の完成に…!!至ることができませんでした!!」



こんな毎日から抜け出すには、とにもかくにも巨人と戦うこと、すなわちゲームジャムに参加することです!ひじょーに密度の濃い、素敵な1週間になると思いますよー!


いまこそ立体機動装置ことUnityを起動し、「我こそは調査兵団のエースになる者だ!」と名乗りをあげてゲームジャムに突撃しましょう!きたるべきゲーム制作時代における”進撃の巨人”はあなたなのかもしれません!




おしまい。
 

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